ヘルタースケルター

いやぁ、これは、評価が物凄く難しいんですが、誤解を恐れずに言うと、これはもはや映画では無いような気がします。もっと言うと、作品ですらないかもしれません。

芸術的な観点から見ると、これはもう百点なんですよ。それはそれは、美しいんですよ。色彩だったり、映像だったり、これはもう素晴らしいです。魅せられるというか、映像に感動してしまいましたね。

ただ、物凄く悪く言うと、監督のアピール、監督の自慢のために作られた物のような気がするんですよ。私は、こういう美しい物を作れますよ、誰も思いつかない観点から物を作れますよ、という匂いがしてくるんですよね。こういうのはやっぱり評価が分かれるんじゃないかと思いますね。少なくとも万人受けするものではないでしょう。

やっぱり、主役の沢尻エリカ氏にも触れておかないといけないでしょう。世間の評価はともかくとして、この人は良くも悪くも女優なんだと思います。演技も上手いですしね。仲間にはなりたくないですが、傍から見てたら物凄く魅力的な人だと思うんですけどねぇ。やっぱり、この人を主役に据えて、世間からの風当たりの強い作品を作ろうという、骨のある人がいないんでしょうね。残念です。

でも、この作品の主役と沢尻エリカ氏が、マッチしすぎているんですよ。これはこれであまり良いものでは無いですよね。もう作品には見えないんですよ。ただの沢尻エリカのドキュメントにしか見えない。だから、他の出演者を、全くと言っていいほど活かしきれていないんですよね。作品はやっぱり共同作業ですから、そういう所からしても、作品では無いですね。本当に言い方は悪いですけど、話題作は、悪い意味だったのかもしれませんね。

この作品のように、一人の女が美貌のために狂っていくというのは、今までも結構あった設定ですよね。だからこそ、色彩だったり、映像をこだわる、というのも分かりますね。だってもうそっちの方向に行くしかないですからね。さっきも言いましたけど、色はもう、素晴らしいですね、おしゃれにも見えますし、エロティックにも見える。なんか惹きこまれる映像なんですよ。

この作品を見て、沢尻エリカ氏の魅力に気づかされました。パッチギの頃の純朴さから、この作品までの変貌ぶり、目を見張るものがありますね。でも、本人に言っても、別に・・・で終わらされるでしょう。

 

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